毛球症(うっ滞・食滞)の予防に、エリザベスカラーをお使いになる飼い主様へ。
換毛時などの、うっ滞が起こりがちな時期にエリザベスカラーをご利用頂くことは、
飲み込む毛を減少させるのに、ある一定の効果があると考えています。
毛づくろいの際に、生地が身体のラインに沿って柔らかく曲がるので、
ウサギさん自身は「毛づくろいした」気分になれるという点で、
フラストレーションを溜めることなく生活できるというメリットもあります。
ただし、エリザベスカラーを着けている事で、「これで毛を飲み込むことはない」と
安心してしまうのも危険です。
毛を飲む量を軽減できるとはいえ、全ての毛をシャットアウトできている訳ではありません。
動物病院の先生や、飼育書から得た情報だけでも、うっ滞の要因は下記の様に様々です。
●グルーミングの頻度
●ウサギ自身の毛繕いの頻度(熱心に毛繕いして、毛を飲込む機会が多い子かどうか)
●換毛量の程度(大量に毛が抜けているかどうか)
●うっ滞になりやすい体質かどうか
●ウサギの品種
・細くやわらかい毛質…体毛が唾液で頑丈に固まってしまう可能性
・長毛種…長いひも状に毛が繋がり、糞が絡まる可能性
・品種や個体差による腸機能や体質の違い
●食べている食事の内容(摂取している繊維質や水分量)
●寒暖の差などの、気温や湿度による外的ダメージ
●年齢や持病の有無
ウサギの個体により、これらが複雑に組み合わさり、うっ滞につながっていると思われ、
完全に防止するのは、とても難しいのだと気付かされます。
私自身の失敗を例に挙げますと、
エリザベスカラーを着けていることに安心し、グルーミングの頻度が少なくなったり、
普段は十分に注意している温度管理や食事の内容を、油断して雑に行うなどして、
うっ滞を起こさせてしまいそうになったことがあります。
特に、胸や肉垂周辺が換毛している場合、
カラーを着けている事で、むしろ、毛をエリザベスカラーの周りに集めてしまっている場合もあります。
一日に何回かは、エリザベスカラーを外してグルーミングをしてあげるなどご配慮下さい。
換毛期に限らず、日常的にグルーミングを行う事で、
抜けている毛の量を日々把握することがとても重要だと考えています。
飼い主様が普段心がけている、毛球症予防の習慣を通常どおりに行って頂いた上で、
エリザベスカラーを予防手段に加えて頂ければ幸いです。